そろそろ若葉も出揃う頃であろうと地蔵山を歩く。高速道路や主要幹線道路は車が多く、何時もの様には走れない。越畑の道端や民家の庭先に、常になく人がいる。賑やかな事は悪くは無い。多少遅い時間ではあるし、人の姿を無る事もなく芦見峠、生え揃うイワヒメワラビの陽だまりで、風に吹かれて小休止。振り向くと、ご夫婦らしいハイカー二人が峠に着いた。
お二人は、堅調な足取りで先に立たれた。細いながらも蕨の生える道を登る。しかしこの蕨は細くて澱粉は少なかろう。枝先を伺うと、葉を伸ばしきった樹木が多く、期待したような出始めの柔らかい葉は少ない。人工林の手前の坂道で、先のご夫婦が何やらしている。奥様は、はにかみ屋らしく、少し上で倒木を掴むご主人の姿。
のこぎりを持参の登山道の整備らしい、有難い。見るからに楽しそうで、次回からマネさせても頂こうか?。巡視道を進むと明るい山腹に出た、思ったほども美しくない。登山道に戻り、登る山腹の途中の柔らかな葉陰に先のご夫婦が休息中である。
降っていくこれもご夫婦、こちらは逞しい。林の中を逍遥する間に、先のご夫婦は先に行かれた。山頂近くの林には、明るい林床に紛れるように、薄いピンクの花がある。既に枯死した花を見たのは初めてだ。山頂の反射板跡地の前に蹲る先のご主人、直ぐに離れて跡地に行かれた。見れば、今年初めてのアリ塚があった。面白いご夫婦だ。
お地蔵さんに挨拶の後、三角点ピークで木彫り地蔵を掘り出して、目立つ辺りに確り置いた。お若いアベックが表れて、木彫り地蔵に話がおよぶ。山頂を辞して愛宕山ジープ道に向かった。ジープ道手前の大きなコシアブラの倒木。カール状の谷に降り地形を確認、鹿のたまり場らしい谷である。
ジープ道には人の影、降るパーティーが数組あって、爆音を挙げて登ってくるバイクが一台、音の割には進んでいない。ヘルメットを被ったおじいさんが登る、どういった関係があるのか無いのか、予測不能。先ほどから気が付いた、太い、低い鳥の声。ツツドリの声は今年初めて聞く。
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