■ 鈴鹿・鞍掛トンネル〜御池
・・・・2014年04月06日
2014.4.6

雨もあがり、陽射しも戻ってくるだろう想定で出掛けた鈴鹿は鞍掛トンネル、雨はほぼ期待通りで、あとは山を覆うガスを吹き飛ばす陽射しが欲しい。こんな空模様に、御池等に登りたいと云うモノ好きはあるまい。と、トンネル北口横の駐車地を見て驚いた。

既に空っぽの車が5〜6台、同じアホがいるものだ、と思いながら何だか哀しいものがある。木曜日までは正に春、陽光に煌めくフクジュソウの金色の花びらも、奥床しいピンク色を含んだミスミソウの小さな花も、春霞、近頃はやや違う種類の霞かも知れない、の裡に観たかった筈だ。

今日などは、トンネル前でやっと1℃、尾根辺りは白く、冬である。鞍掛橋ゲートが開放されたのは目出度いに違いないが、余りに無情、サラリーマンの悲哀を切に想うのである(だと思う)。雨上がりの、植林の途に残るズルッと滑った跡を見るにつけ、彼らの胸中に去来するだろうお花畑が思われる。

トンネル横の駐車地を見下ろすと、新たに2台の車が止まったところだ。ここら辺りから雪化粧。早くも、鞍掛橋から登ってきた途と出合う辺り、ゲート開放の効果は大きい。鉄塔からチョットだけショートカットで尾根に乗った。風が強くて右の耳が痛い。谷底から、吹き上げる風に乗って雪が舞う。この冬一番の嵐である。

先人の足跡も、風の強い辺りでは消えかかり、けして多くは無い雪も、風の通り道の加減では、足首は簡単に埋まる程。こんな天気でフクジュソウは無い。無いが、始めたものは仕様がない、やや左向きに風雪を防いで俯いて黙々と歩く。降りの男性一人と出会った。

と、目の前に、見慣れぬ看板が立っていて、見廻すと、左右に各1つ、何処かで見たような、え?、鈴北岳ピーク!、驚いた。ただぼんやり歩いていただけでなく、まだ先の事だと思っていたピークは、トンネルからは非常に近かった。が、風雪は更に厳しい。

一旦谷に降るべく、真っ白な日本庭園に向かう前方から、4人のパーティが帰ってくる。ちっとも楽しそうには見えないのだ、ただ風雪に追いまくられて、辛うじて耐えている感じ。降った谷は、雪を被って詳細は不明だが、露出した岩などが所々にあって、荒れた様子で、迂闊に雪を踏むと痛い思いをしかねない。

急斜面の右岸を辿り、時々岩や根に滑りながらもフクジュソウの群生地の下、露出したカレンフェルトの他は全て雪の下である。既に咲いているのは間違いがない、踏んでもいけないので尾根に出た。出た尾根の鞍部で昼食準備のお二人さん、新雪を集めて湯を沸かすらしい。側には大きなカップ麺、まてよ、流石にこの雪は、、タデ食う虫の例もある、ひと様々で良いとしよう。岩の下など探してみても、花はおろか雪以外に見るものはない。

今年は余程、神仏との相性が悪い。考えてみると、この2年の間、御池で良かった事が無かった。付き物でも?,まるで無い訳でも無い、諦めよう。

降りに入り、風雪は更に強まり、新たな雪が、まともに顔を打つ。これも、こころ当たりの事と思えば、何の事はないのだ。風雪ともに激しくなり、前方から顔目掛けて飛んでくる。鉄塔上からショートカット、あれほど厳しかった風も、流石にここまでは付いて来れまい。

白さを増した植林地を降り、駐車地に戻って驚いた。車の窓に、堆く積もった雪があった。路面に雪はなかったので、帰りに支障は全く無い。トンネルを少し降った右の崖に、色の大変黒いカモシカが一頭、小首を傾げて、不思議なものを見る様に、佇んでいた。

ハーリハリハリハリネズミィー


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