■ 北摂・半国山
・・・・2013年12月29日
2013.12.30

堀越峠あたりから、山影や林の中に、降ったばかりの雪が残っていて、路面が真っ白になる程の凍結防止剤とあっては、用心しないわけにもいかない。幸いにも、宮前までは目立った難所もなく、公民館の前にも雪はない。

ところが一歩足を踏み出した農道は凍りつき、登山靴でもよく滑る。金輪時への道も、川に沿ったあたりは同様で、軽トラなどに踏み固められた跡は歩けない。なるべく誰も踏まない雪の上を辿り、振り返ると踏み跡がひとつだけ続いている。

山腹の杉の林の上の雪は、仰々しいほど鮮やかに、雪の季節を際立たせている。登山道に入ると、常緑の葉叢に溜まった雪で木が撓み枝が迫り出して潜り抜けるのに苦労である。下手に引っ掛かると頭から雪を被る。

気温は零度だが風は無い。静まり返って何の音も無く、心臓の鼓動が妙に耳に響く。尾根に乗る辺りからは先行者が足跡を遺している。人では無く、あちらこちらと登山道を縦横に歩いた狸や狐やリスなどの足跡である。中には大きなものもあったが熊では無いだろうと思う。

充分歩いたあとは林の中に消えて行く。何をしているのか不明だが、彼らにとっても登山道は充分な利用価値があるようだ。殊に積雪の時期の移動には尚更だろう。と、前方から2人のパーティが降ってきた。若い男性と女性で半国山では珍しい。

動物だけだった雪道の足跡に人が加わり続いている。積雪が増えて10センチほど、岩の多い辺りでは良く滑る。滑ったところに枝に乗っかった綺麗な雪があった。幾らもないフワフワの雪は、思わず開けた口に入って、直後に溶けて消失してしまった。殆ど雪の感触すら感じない、で、更に隣の葉の上の雪も含んでみたが、やっぱり何も感じ無いのだ。

降り積もったばかりの雪の水分量は非常に微量である事を、今更ながら確認した。これ以上は、結晶する際の微粒子が、PM2.5かも知れないので止しておく。ピークしたまで来ると大阪側からの足跡が多数ある。既に往復分があるから山頂は無人だろう。

無人の山頂からは、白く雪を戴く北山の尾根、直ぐ前には地蔵山、背後に比良と、西日に浮き上がって煌やいていた。引き返す道には都合4つの人の足跡が残った。急斜面の下の方で、大きな音を立てたのは何であったか。


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