■ 比良・鎌倉山
・・・・2013年12月08日
2013.12.8

… 空を覆う厚い雲の下は、風も無く静かな小糠雨、少年自然の家の駐車場では、気勢の上がらない山仕度がボチボチ進む。用意が整っても、車から出られない方々もある。お山は直ぐ上空あたりでガスの中、チラッと見えた尾根辺りは白かった。

そんな中、ストックを持ち颯爽と現れたお二人のパーティ、寂しい鎌倉山コースに消えて行かれた。これを期に、数人のハイカーは車を離れ、道路を越えて家並みに隠れた。雨は降ってはいても風が無いのでそれ程も寒くはない。気温は5度である。

目の前に奇妙な重機がある。前と後ろに別れたキャタピラを持ち、後ろはどうも伸びるらしいのだ。特撮人形SFテレビドラマ・サンダーバードから抜け出した様な車である。9月の大雨で国道は寸断された。その国道修復に現れたインターナショナルレスキューに違いない。朽木も国際的になった。

鎌倉山は嫌いではないが、道を離れるとすぐに始まる植林地の急登、他に道の附け様は無かったものだろうか。もっとも、林道を歩いても行けるのだが多いに時間が掛かる。で、城の鼻と書いてある崖の上に這い上がり、急斜面をボチボチ、すると植林の中で起こる話し声。

え!,まさか?、そんな処に行く筈は無いのだ!。登山道近くに来られたその姿は、ハイカーでは無くて林業関係者であった、納得。雪が来る前に行う熊ハギ対策、ビニールテープを杉の幹に巻き付けるのである、

林道には2台の車があって、これより上でも同じ作業が進行中。確か、国有林の筈だが、小雨模様の日曜の作業とは如何なる訳だ?。訳は知らないが、良い挨拶をするお若い方々もおられた。ご苦労様です。

落葉樹が多くなると、登山道は大量の落葉で明るくなった。流石に太陽の名残は既に無く、雨に濡れてはいても、やはり温かい光景だ。悩ましいのはその下の石、乗っかると足が滑る。木の枯れ枝や根っこは、雨も手伝って見事な位に滑るのだ。

ブナの無いブナ平を過ぎて、どうも雨音が小さい、個体が落ちる音に似ている。と、思っていると空からヒラヒラ、音も無く雪が舞い降り地を覆う。この冬初めての雪、気温はと見ると零度だ。涼しくなった梢越しに東の様子を伺うに、武奈ヶ岳はあいも変わらぬガスの中、化粧した姿は終に見ない。

薄っすらと地を覆う雪もまた滑る。おかげで尻は泥にまみれた。先行者の靴跡は、ピークを踏んで南の尾根に続いていた。八丁平を踏んで周回コースをやるらしい。1000mに満たない山で、微風程度しかなくてもピークは冷える。弁当を食べて直ちに下山、雨が終った所為か、降りでは沢山の小鳥が囀る。

裸の木に未だ赤い実が多い。当面の食料はあるとしても、厳しい冬の到来を知ってか知らずか。登山道脇に見られる樅の木の成長点は、漏れなく鹿に虐められていた。


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