■ 若狭・三重ヶ嶽
・・・・2013年09月22日
2013.9.23

… 台風禍から1週間、石田川水系に、一見して分かるような被害はない。道脇を流れる用水路にも異常はなく、キャンプ場の車も多い。ダムまでのアプローチに多少崩れた形跡があったがそれのみであった。

ダムの水量は僅か、泥水が残した満水時の痕跡を見ると、徐々に放水した結果かも知れない、だとしたらダムの効果は相当に評価されないといけない。

駐車場に舞うアサギマダラ、山頂部の気温が低下してきた証左である。例年より相当に早い下山だが、今日はまた少し暑かろう。国道の混雑で約1時間遅い。三重ガ岳南の尾根取付きまで約1時間、崩壊した道脇にサルナシの実やアケビが多い。

川床の汚れを落とした綺麗な流れが続き、見上げた取付きの厳しさを思い遣る度に惹かれるのである。厳しい植林の山肌を一杯に使った杣道が続く。紅葉にはまだ早く、ふわふわ飛び回るアサギマダラが慰めである。

アサギマダラが三々五々集まると言う事は、下山ではなくて旅立ちの用意か。しかし今日はそんなに涼しくは無い。大量に落ちるクリの実も、まだ青いまま、仲に有るべき実が何処にも無い。

僅かに残ったクリの殻には、噛み砕いた時の歯形が残る。熊だろうか・・その疑問は直ぐに解けた。少し登った尾根の林に、此方を注意深く見詰める眼差しがある、猿である。この辺りの山には栗の木が多い。栗の木を残しているようだが、今年などはクリだけでも充分な量があって、加えてサルナシ等も豊作だから、猿も何処か呑気そうに見え、人を伺う余裕さえある。

それにしても長い尾根で、かなり真面目に歩いているのにピークが見えて来ない。台風で落ちた木々が登山道を覆い歩き辛い。3時間歩いてエネルギーを補給、風が無いので暑い上に羽虫が纏わり付く。梢のあたりでカケスが盛んに啼く。

そこから10分ほど、背の高い樹林が切れて三重ガ岳の無人のピーク。トリカブトの青い花がある。ピークから北側には捻れて詰まった様な樹木ばかりで、如何に積雪に虐められたとはいえ、それだけでこんな姿になるものだろうか。

時間が無いので直ちに武奈ヶ嶽に向けて下降を開始。綺麗な背の低い林が続く尾根は快適である。今日は雲が多く展望は無い。天気が良ければ琵琶湖と日本海が望める尾根である。高度をどんどん下げてそしてまた登る。これが応える。登った先のピークあたりからダムに向けて四キロの途を降った。辺りは既に薄暗い。


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