■ 雨の中の小さい秋調査
・・・・2013年09月08日
2013.9.9

今日も雨、レーダを見ると、近畿一円何処へ行っても雨模様、大雨は無いとは言わないので、そのような山は是非避けたい。しかし涼しさはまた格別で、どうやら秋の気配さえしてくるような、むしろ、秋の最中にある様でさえある。

熱帯を超える猛暑続きから開放されたら、そう思わない方が難しい。秋か秋で無いのか確かめる必要がある。歩く口実が出来上った。山域は近畿なら何処でも良い。車を止めても雨の止む気配は無い。そばに駐車中の車では、横になって晴耕雨読の方もある。この天気の過ごし方としては至当であって、羨ましい様な気もする。

カッパを着込み傘をさしていざ行こうか。痛めた股関節の所為でビッコを引きながらの歩きだ。谷川の水は濁り瀬音は狭い谷に響き渡る。まずは尾根に乗るべく谷川を超え伐採地の杉の苗木の間を抜け、と、すぐ目の前の藪に子鹿が1頭。家族が居ないところを見ると雨の中ではぐれたか、濡れそぼっていて元気が無い。

此方も元気は無いが大汗かいて斜面を登攀中、傘はひとつしかなし蹄では縁は無いだろうから無情ではあるが置いていこう。藪が出てきて傘は面倒だ。畳むと露払いには十分使える。鉄塔まで登ると風があった。カッパのなかはカイロを抱くよう。

少し休んで呼吸を整え、雨のバカヤロー降るなら降ってみろ、キッと見上げた空から大粒の雨、つまらん事は云わんが良い。ズルズル滑る斜面をどうにかこなし、緩やかな樹林の尾根は暗かった。藪の奥から時々聞こえる得体の知れない大きな音響、猪がいるのかはたまた鹿か、まず熊の心配はなかろうけれども薄気味が悪い。

休みながら、2時間も歩くと明るい尾根にやっと出た。ナツハゼの黒い実はあったがその他秋めいたものは何もなし。雨も小降りになってきたのでカッパを脱いだ。尾根の風が何と気持の良い事か、鉄塔下で身体が冷えるまで小休止。山を覆った霧もそろそろ流れて消えて行く。

十分冷却出来た頃に、辺りに響く蝉の声。岩よりもなお、胸にシンシン滲みたのである。あ〜やっぱり夏だった。ツクツクボウシに混じってミンミンゼミも鳴きだした。股関節はまだ痛むし、ビッコを引きながらピーク下まで。もう良かろうと、登山道の下りに入ると陽射しが出た。

気温は忽ち上昇に転じ、額からは新たな汗が流れては落ちる。入れ替わりに、ストック持った男性が登って行った。秋はまだまだ先のことかも。


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