■ 北摂・大野山〜あじさい祭り
・・・・2013年07月07日
2013.7.7

☆ 登山口に車は1台のみ、早い時間ではあるしうなずけない事も無かろう。大野山山頂まで、ここ西軽井沢集落から僅か1時間程度の距離である。ゆっくり出たとしても、よもや遅れるような事は無いのだ。

何しろ今日は、年に一度の山頂の祭りである。正しくは山頂付近のアジサイを愛でる祭りであるが、額に汗して登った山頂に、冷えたビールやタコ焼きなどが待っているのは、唯一大野山だけなのだ。

年に一度の贅沢な日である。未明に降ったらしい雨に濡れた登山口から続く道、濁った水の流れる谷川に沿った道は暑い。湿度はおそらく飽和状態だと思われ、あたりは霧に覆われている。

自治体があるようだから、居住する住民も相当数あるだろう筈だが、年々に朽ちていく廃屋、住民が居なくなり苔の生じた雨戸を見るにつけても生活の困難が覗えるようだ。

直ぐ迎えてくれたのはクワガタムシ。まあまあのサイズで種類は分からない。ハサミを振りかざして抵抗する元気な奴だ。モデルを強要して近くの藪に放してやった。

そこからが暑かった。風はソヨとも吹かず、水の中のような湿度、毎年の事ではあるが身体に堪える。上手に作られた古道の曲がり角あたりで小休止、後ろから来たご夫婦に先を越された。後ろをゆく奥様の足元は暑さが滲んでいたような。

薄暗い谷間に妙な声が響く。林を透かして鉄人3人が近付いてきた。鉄人とは云いながら、走るスピードはそれほどでもない。妙な声は、シンガリを走る男性の気合であった。が、その速度は、歩く方がまだ早いくらい。

歩き出して直ぐ、ご夫婦は最後の急坂に差し掛かったところで、鉄人達は急坂の途中である。しばらく待って急坂に取り付き、上り詰めたところで一緒になった。ご夫婦は真面目に山頂へ向かい、スピーカ越しに聞こえる祭りの喧騒へまっしぐらに向かう卑しガキ。

例年の如く整備されたステージとテントサイト、テントの中で一番に目に飛び込んだのは、大きな鉄板の上のナポリタン。その横のテントではたこ焼きなど。先ずは冷たいビールとたこ焼きを持ち、いそいそと木陰に移動しプシュ。

もう一本、と立ち上がった鼻先を、手に手にビールを持った先のご夫婦が通る。先のビールは400円,ところが隣のビールは300円だ。どうしてだろう?、ま良いか、安い方で買って、隣ではナポリタンを購入。木陰の中は、詰めかけた老若男女の食堂に成っていた。

先のご夫婦は石の上に腰掛けて、お手製の弁当とビールである。ステージでは何かをやったかやろうとしているのか、雑音だけが聞こえていたような。

これで帰っては申し訳ない。西に伸びる尾根には大岩奇岩が点在するらしいのだ。ここは御礼の意味でも是非行くべきだ。陽射しがではじめて暑いのだが、その分風も強く暑さが苦にならない。車道と離れ尾根道を行く。確かに大岩があって中には面白い形もあったりしたが、後川方面の展望がとても良い。

かつて、釣りに飽きて道なき道を登ってきた事を思い出した。暫く降ると車道に出た。今日はここまでで良かろう。引き返す車道にハイカーが溢れていた。


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