雨乞岳に行こうか御池にしようか悩んでいると、琵琶湖マラソンがあると云う。つまらない所で渋滞でもあると、余韻も何も消し飛んでしまう。
それくらいなら北摂の雄(かな?)剣尾山を歩こう、高騰するガソリンも少なくてすみ経済でも有るのだ。昨日から降った雪が山の端を染めている。
玉泉寺に車を置いて心臓をドキドキさせながら大きな洋館の前、窓越しに見える金髪の令嬢にときめいている訳では無い。庭に繋がれた3匹の犬がいつ吠え出すのかビクビクなのだ。金髪の令嬢が居るのかどうかは全く知らぬ。
犬小屋は見えるが姿が無い。おや、今日は大丈夫かな?、と安心したところへワンワンワン。やや、大人しいぞ、と思ったら一匹しかいないのであった。そして大人しい奴だ。やれやれ、見上げた登山口周辺に車は二台、今日は少ないな。
登山口周辺にはロープが張られ、工事中であるから駐車禁止の張り紙がある。能勢温泉の駐車場は封鎖されてガラガラだ。こんな時ぐらいは開放しても罰はあたらん。仏仏仏
薄雪の登山道に足跡が5つくらい、雪はあっても氷は無い。大岩に描かれた大日如来は光が少なくて判別不能。ゲーテと同じくらいに「もっと光を」欲しているのだ。
行者山は風が抜けてやや肌寒い。寒い中でも目の前の木で鳴く小鳥がいる。良く耳を澄ますとかなり沢山の小鳥がいる。出迎えは気持ちだけ頂こう。小鳥の声と陽光に照らされて歩く風越え峠、朝の早かろう男性が一人降ってきた。足元はスニーカー、近場の人らしく軽装である。
東に開けた巻道に差し掛かり二組のご夫婦とすれ違った。何方も丁寧なご挨拶が帰ってくる。これで恐らく山は無人かと思っていると、また単独男性が下って来る。これで間違いなく無人のはず。
伽藍跡の入口にある六地蔵に、今消えたばかりの線香と、最初の単独男性の靴跡が一面にあった。気を付けて見ると全ての地蔵さんの前には足跡があり、ところが一人ではないのだ。朝からご苦労さまです。
無人のピークから下界を暫し俯瞰、そばの枝に乗った綺麗な淡雪、ちょっと口に含んでみようかと思って考えた。最近下界を騒がすPM2.5を思い出したのだ。知らねば知らんでも良いものを、知ってしまったら仕様が無い。
口へは禁止、お茶で我慢してお山を降ろう。目指すは横尾山である。横尾山の道中もすっかり笹が消えて綺麗になった。綺麗な林床に都笹が美しい。都笹とくま笹の関係は?、小さな笹の葉と背の高い笹の葉はどう見ても同じである。もちろん葉の大きなくま笹では無い事は分かるが、どうも不明瞭で悩ましい。
最後の急斜面を超えた反射板の向うに、雪を戴いた三岳が見えた。横尾山のピーク辺りは黒土が剥き出しで、雪は殆ど無い状態、ここまで来られた人の中には、ここから剣尾山へ引き返している。
トンビカラを降った辺りで元気な叔母さん達と遭遇した。口々に暑い熱いと冷たい風に吹かれていた。どのような状況下でも、口の滑らかな事は間違いなし。ずっと下まで賑やかな声が聴こえていた。
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