■ 京都北山・八ヶ峰
・・・・2012年10月14日
2012.10.14

美山町知見の集落は何年ぶりだろう。小奇麗に整った道端に続く奥床しい家々。流れる水も清らかで、なかなか結構なところだ。

住むには多少の不便を忍ぶ必要が有るだろうが、夏の間だけとか週末限定であれば云うことはない。奥に進むと宿泊所らしい趣の家もある。かなり古いものらしく、昔は峠越の旅人を泊めたものかも知れない。

最奥の橋を越えると小さな駐車場がある。目の前に登山口があって、八ヶ峰まで数キロと明記してある。数字は失念したが、僅かな距離であった。直線距離なら頷けるのだが、実際に歩くとそれ程近くもない。

素晴らしい森が、歩き易い山道の先に次々と現れる良いコースで有る事は間違いなく、ファミリーコースと言ったところである。登山道としてはかなり広い道幅で、最初の僅かな距離を除けば緩やかな道である。

ゆっくり歩きながら高度を稼ぎ、植林地を過ぎる辺りから左手に中央分水嶺の尾根が見えて来る。自然林に入って直ぐ右手の山肌から流れ出す水場がある。先程から鹿の遠吠えが聴こえてきて、辺りには相当数の個体の気配がある。

水場の側にはヌタ場も併設されて、彼らの風呂場といったところ。よって、如何に綺麗な水でもここは遠慮しよう。水場を過ぎると壊れた小屋が出てくる。良いか悪いか別にして、古い靴が朽ちずに今でも形をとどめている。嘗てスキー場があった名残であるらしい。

辺りはシデを中心にした美林が回復している。落ち葉を踏みしだきスキー場跡を抜けると巨木の森に入る。ブナやミズナラの森である。道の勾配は更に緩やかになり、茶店でもあれば良く映えるだろう。

森を抜けると掃いたような尾根に出て、直ぐ側の高みに知井坂のお地蔵様がおられる。振り返ると話題の半島や島影が薄雲の彼方に浮かんでいた。間違えようのない尾根道を東に歩き、木の朽ち果てた階段を詰めると八ヶ峰である。

数本の形の良い松が影を作り、地の芝は、車座の宴会でも出来そうなほど。加えて眺望に優れ、実際、雨の中で、松にターフを張って宴会を強行した中高年パーティを知っているのだ。

(^-^)


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