気温22度の針畑川を遡り、桑原の農家の庭先をお借りして車を止めた。差し込む日差しは凄まじく、日干しになる前に木影に移動。浅い流れの煌きのよこに、やや水深のある中層で、ゆったり寛くハヤの怠けた格好が気になる。
林道に続くあぜ道には鮮やかなピンク色のゲンノショウコと青い露草、僅かに顔を出しているのはススキの穂である。行く夏、来る秋の狭間にある高島トレイルの基点である。
林道の急斜面にはミズヒキやハギ、穂ツツジなども今を盛りと咲いている。左の斜面に続く登山道、煩いだろうと思っていた雑草は思った程でも無く、すんなりクヌギやブナの樹林の中まで入れてしまった。
低い気温も手伝って、滴る汗も少なければ、体も今ひとつ切れが悪い。要するにダラダラ登りが続いたので。いつの間にか広がった雲のお陰で気温の上昇も緩やかである。
楽に辿りついた訳ではないのだが、まずまず息を切らして高島トレイル出合い。左に登れば三国岳、右に進めば岩谷峠に至る。風も涼しく文句は無い。薄日の射す林床には、未だこの時期でも十分見頃のナツエビネが風に揺れる。
大きく下る直前で、三ボケ源頭である左の窪みに入り込み、そこからP941まで登って尾根を歩き、あちらこちらと伺いつつ、西尾根進入部に下降。ここから見る、急斜面から伸びる見事なブナに改めて感服。
もともと薄い踏み跡ではあったが、このところ訪れる人もいないのか、踏み跡らしいものが殆どない。尾根も乾いてハエさえも少ない。雨の恵みがあった後なら嬉しいご褒美も期待できる。
目の前に天狗岳が見え出した。真っ直ぐ下れば大谷にでる。ここは東に転じ、急斜面を下ってロロノ谷に出た。汗にまみれた手足を流水に漬け、暫しの休息。しかし流れる水に勢いがない。少し谷を登ると流れ自体が消えて伏流になった。やや上流に細い流れはあるものの、これほど水の無いロロノ谷は冬でも見ない。
ミズナラの倒木を乗り越え尾根へと向かう。斜度もキツイし気温も随分上昇して暑い。改めて、全身から汗が迸る。先ほどの尾根と同様、林床はカサカサに乾き、谷源頭部でさえ湿り気はない。
軽くなった体で再びP941へ戻り、薄気味悪いほど黒々とした枯れたブナの根本を観察して登山道に戻った。一雨が降ったらまた来よう。下りの道では25度、登りより3度ほども高い。お陰でまたまた汗まみれ。
林道に下り、谷川で汗を流して駐車地へ戻る。顔を合わせたお爺さんとお婆さん、お土産は次回まで待って下さい、お願いします。(^-^)/ |