■ 大峰・熊渡り〜日裏山・狼平
・・・・2012年07月15日
2012.7.16

梅雨前線はやや北上しつつあり、今年初めての大峰参りで、よもや大雨もあるまい。連休のせいであろうか人が多い。熊渡りの駐車地もほぼ満杯、やや上の小広い路肩に駐車。今しがた帰ったばかりに見える方々もある。

白い弥山川には流れがあって、谷川に近づくだけで冷気に包まれる。梢では約束のようにオオルリが鳴く。林道終点までに大汗をかいた。大雨に流された林道は石がゴロゴロして歩き辛いのである。

流石に気温は22度、暫く休むと汗も引き、早々と休息する様を呆れ顔に通過するハイカーの後ろ姿を見送った。杉の育った登山道は見るべきものが全くない。いよいよ明瞭になっていく登山道に残る、踏み跡を見るだけである。

出会う下りの登山者は、単独の、年配の方だけであった。川合からの尾根道出会い直前が一番厳しい。厳しい直登を終えトラバースに入るとやれやれ、ブナの新緑の背後に、回復傾向の空が見える。

小休止のあとのかなりキツイ登り、東側の杉の木の間に、濃い緑に覆われた稲村ガ岳が見え出した。樹林に覆われた伸びやかな道が続き、頂仙岳を巻くようになると針葉樹に変わってくる。遠く、高野辻あたりの斜面にへばりつく篠原集落。半年振りの光景である。

絵の様な光景が続く高崎横手から、起伏の少ない明星ガ岳へのルートをとると直ぐに日裏山である。ルリビタキの囀りがあり、苔の覆う林床の一部にイワヒメワラビが勢力を広げていた。

ここの植物には鹿の食害が殆ど見られない。時々、根っこ近くの樹皮を殆ど食べられたシラビソがあったが、多くは毒のある植物だろうか。日差しの厳しい展望台から大峰3山を見て谷に下った。

下ったところにあるオオヤマレンゲ。花は多少小さいようだが、蕾ほどは保護地に負けない。開いた花の中には必ず羽虫がいて、時期の過ぎたものは茶色く変色して、被写体となる美しいものが少ない。

川に沿って下ったあたりの物も殆ど同様、綺麗な流れの中のキリクチは、溌剌として大きかった。川を下った狼平のキャンプ地、テントは既に3張あって、お若い女性も混じっている。天気は完全に回復したようで、雨の心配はなさそうだ。


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