■ 京都北山・春嵐の地蔵山
・・・・2012年03月4日
2012.3.4

芦見疎水の工事は今が佳境か、後一月もしたら田仕事が始まる。峠には雪に変わった春雨が降りしきり、抜ける風にも切れるような冷たさがない。振り返った集落の上には靄がかかり、そろそろ早春の花でも咲いても良い季節だ。

集落の石垣には青黒く光る蛇のヒゲ、早春の花もフキノトウも何にもない。長く伸びた梅の枝には固い蕾だけである。暖かなサイクルが二回ほども繰り返されたら咲いてもくるだろう。

峠からは風が強い。登山道には水が流れ、枯葉の下から泥水が染みて来る。上半身はカッパで覆うので熱がこもって暑いのなんの。体の中を汗が流れ、一部はやはり顎から滴る。

暗い植林地を抜けた斜度のキツくなる斜面には雪がある。踏み固められた氷が残る登山道では、これが実に危険である。道を避けて歩かないと転ぶ恐れが多分にある。

よろよろになりながらやっと中腹。このあたりから雪が多くなった。概ね20cm位はあって、汚れた靴跡がながながと残っていく。雪の上にはアセビの葉、行く手を遮る撓んだ木の一部は切られたようだ。

山が轟々なって木々は揺れ、雨粒がぼとぼと落ちて、ズボンの膝上から沁みてくる。ご挨拶に立ち寄ったお地蔵様は相変わらずのにこやかなお顔。踏み跡の多い三角点まで歩き、あとはピストンでも良かろう。最近はいよいよ軟弱振りが目立つ。

ここらでガツンとやりたいとこだが、温かくなればもう少しは増しになるだろう。が、温かくなると登りが不如意。ごまかしながら歩くだけである。


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