■ 北摂・剣尾山〜横尾山
・・・・2012年02月19日
2012.2.19

白く雪を掃いた道に登山者らしき怪しい風体の男たち、明らかにハイカーらしい人たちも混じって20人ばかり。そこに軽トラに満載の怪しい男たちの補給。これはいったい何事かあらん。

怪しくも賑やかな団体さんの群も、ぼちぼち行者山目指して登ってくる。直ぐ目の前同類項と思しき二人組み、話しに熱中しているかのようでいて、歩みのほうも中々に速い。雪の上に残るハイカーの数も半端じゃない。

今日は何事?、と思う前に、長年山を歩くものとして、これら怪しい俄仕込みのハイカーに負けたとあっては沽券に関わるのである。剣尾山を目指す、居並ぶ人々をごぼう抜きに抜きさって、とやりたいところであるが、ぼちぼち抜かして貰って距離を空けるのが精一杯。

沢山の足に踏まれた新雪は、兎に角良く滑る。融け残った雪は硬く凍りついて新雪の下にある。どなたかアイゼンで登る方もいるようだ。兎に角、ぶっちぎりか如何だかの議論は別にして、どうやら怪しい男たちの一団の姿は曲がり角から見えなくなった。

「風の峠」を越えて北側斜面に入る頃から下りの方々と良く擦れ違う。いったい何時から登り始めた事やら。積雪も10cm位に増え、枯れ木に咲いた雪の花が美しい。炭焼き釜の跡を過ぎる辺りで山ガールの方々と遭遇、今日の剣尾山界隈は華やかでもあった。

月峰寺手前の斜面に張り付く大きなザックを背負う一団は何だ?。最後尾に接近してみるとやっぱり山ジイである。なんと逞しいお年寄りであろう。この一団も月峰寺跡で抜き去り、いよいよ大団円となるピーク下の斜面。

そろりそろり、確かめるような足取りで登り道を行くおば様の顔。お一人での山歩きではあったが柔和な微笑を湛えておられた。直後に下ってこられたご夫婦。「アイゼンが無いのであるかれへん」などと弱音を吐く。

泥まみれのピークも流石に今日は白一色。案外に静かな休息タイム。岩の上にも山ガールが数人。見渡してみても、これを目当ての若い男は何処にもいない。あ〜嘆くべきは若い男の行動力。

暫く汗を乾かして、数人の山ガールの去った横尾山へ向けてピークを下る。ところがこの山ガールの案外に早い事。数分ばかりの差であった積りだが、くだれども後姿の名残さえ見えない。もしやピークの何処かに留まったのではあるまいか?。そうだそうだと納得し、事後は休まず急がずの何時ものスタイル。

登り返しの反射板、振り返ると、今まさに苦しそうな呼吸で登ってくる、二人の若者と目が合った。この目は確か、剣尾山の登攀途中にもあったような。彼らは反射板の傍で大休止らしく、横尾山を過ぎても見ることはなかった。

雪の能勢平野を暫く見下ろした後、トンビカラへ向けて下降。岩の上で食事中の彼らこそ、先に下った山ガールの一団であった。恐れ入りつつ軽快なフットワークで岩場を過ぎ、雪の融け始めた悪路を下って砂防ダムの上。

今日の山はやっぱり変だ。登りの駐車地には僅かな車があるのみであった。あれだけの人出が何処から湧いたか不明である。加えて怪しい男共の集団ときたら、こりゃ〜何かのイベントか何かがあったに違いない。

寒さに行く手を塞がれた、北摂の山の中の事である。


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