■ 比良・小女郎谷〜小女郎池
・・・・2012年02月12日
2012.2.12

バレイの入り口に駐車する車は何れも夏タイヤである。見上げても、バレイの誘導路に雪らしいものは皆目見えず、このまま上の駐車場まで行けそうなものだ。

こちらもここまで雪がなければ、小女郎峠の入り口までは行けた筈だ。戻ろうか行こうか迷いながらも、湖西道路の下である。風に混じって粉雪が舞う。農場の入り口を過ぎ、最後の建屋を過ぎても雪がない。

もっとも、最後の建屋は昨年の雪で半分は壊れていて、今では全て、つわものどもの夢の跡になった。降りしきる粉雪が、うっすらとではあるが、黒い路面を覆いはじめた。見上げた山腹の中程から上はガスで見えない。

最後の堰堤を過ぎた辺りから、融け残った雪が片隅に見られるようになった。薬師の滝を過ぎる頃から雪は多くなった。滝前の大きな岩は真っ白で、沢山の踏み跡があったことから、直後はカマクラに見えたくらいだ。

2個目の堰堤を過ぎて更に積雪が増え、朝からの粉雪も徐々に積もって5cm位のふわふわの層を作っている。例年、殆ど流れが見えない位の谷川の渡渉地点、今日は流れの中の岩の頭を踏んで渡った。

雪が多くなるのと同時に良く滑る。イヤに滑る踏み跡をよくみると、どうも綺麗に整形されたようにしか見えない。あ、尻セード。皆さんの尻で凹凸もなく固められたものであった。帰りにやったろか。

再度渡渉して左岸に出る。崖の様な斜面に小さな雪崩の跡が残る。新雪と尻セードでよく滑るキツイ急斜面を登り、トラロープがかろうじて見える崩壊地をトラバースして、さてここからは曲折のない一本調子の登りだけ。

少し休みを入れたら、出てきた風に忽ち体が冷える。ろくろく休息も出来ないのだ。夏場、羽虫に悩まされたルンゼ状の路は雪が覆い、傍の杉の木の下には結構新しいMTBが一台落ちている。如何に強力な雪雲でも、MTBを降らせるとは豪気な話だ。

そろそろ峠が見える頃であるが、雪の稜線と雪雲の空との境が見えない。影がないので凹凸も不明。加えて踏み跡も完全に雪の下になり、トレースのないよくはまる急斜面を、あっちへ行って軌道を変えてこっちへ歩いてまた修正。斜度が緩むに従って新雪の下は氷であった。

峠の上は北風が強く、正面から叩きつける粉雪の痛いこと。何とか顔を上げて小女郎池まで、池の看板前に二人の若者、右手の瘤の傍では横穴を少し掘って風を避ける数人のパーティー。一緒にいた白い犬は、こちらに来て遊びたそうである。

二人のパーティーは、湖面を覆う雪原を越えて北側の小山の下でお昼らしい。こんな寒いところでお昼どころではない。悠々ときびすを返して今きた路を戻るのである。蓬莱から来たらしい10人ほどのパーティーが、斜面を下って池に下りて行く。

峠を僅かに下ると温かい。よく滑る下りはとても早い。枝先を綺麗に化粧した降り続く雪。雪面を飛ぶように走るニホンリス。風に飛ばされ残ったコウヤボウキ。堰堤まで戻ると雪はアマ雪に変わり、駐車場では雨に変わった。


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