2012年も半国山からの歩き始めである。正月2日ではあるし、金輪寺への参拝もあろうと思っていたのだが、通り抜けたのは軽トラ2台だけであった。林道に沿って、路が掃き清められているのは例年同じことだ。
山の端に目を移すと、500mあたりから上の松の枝は雪で真っ白、加えて時折強力な風が吹き募る。尾根に向かうあたりの濡れた道に足跡はない。どうも今日は一人らしい。
尾根に着くころには強風の中でも汗が滲む。僅かに射す陽光を受けた林は明るく暖色に富んでいる。一旦雪雲に覆われると一変し、寒々しい愛嬌の無い光景になる。
東に延びる尾根に乗るあたりから足元を雪が覆う。強烈な風に巻き上げられた雪が風の形に積み上げられて、淋しさが一層倍。濃い墨を流した様な低い空から、盛んに雪が供給されて、いつはてるとも知れない。
尾根路がフラットになる辺から、同行者を得た。雪面に鮮やかに残る動物の足跡。よろめく様な足跡ではないので、恐らくはキツネであろうと思われる。すぐ前を歩いているだろう。
とうとう頂上直下の大地まで来た。ここで真っ白な林の奥にキツネは消えて行った。山頂までの林の中は風が緩やかで暖かい。轍で深く抉れた山頂までの短いが厳しい斜面に階段が出来ていた。加えて、2輪車通行禁止、とあった。
この様な事が、山の持ち主を除いて可能であるかどうだか知らないのだが、痛快である。山頂から、霞のような雪混じりの空気を隔てた亀岡方面が幽かに見える。さあ、こんな寒いところからおさらばしよう。
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