■ 京都北山・中山谷山
・・・・2011年10月16日
2011.10.16

由良川の流れはそれほど多くない、それでも多少濁りがあるのは昨日の名残である。ビレッジラインの道を流れる水も、いつもとそれほど変わらない程度である。

葉の上に留まった水で衣服が濡れる。急斜面のヤブコギでは避けることもできず、尾根に差し込む日差しが頼りである。急峻な尾根を辿ると地元のおじいさんに出くわした。

こんなところで人と遭うのは非常に稀なことである。片手に籠がある。蜘蛛の巣を払いながら上を目指す足元に、ここ3週間連続してマムシの姿。とぐろも巻かず慌てて逃げようとする。

ここのマムシは苛められていないのだろう。厳しい笹のあった斜面は完全に土が露出し、枯れた笹を踏みしめる、平らなピークのコシアブラの葉は、紅葉の前に枯れている。

枯れ葉に混じり、青々とした小さな葉がある。見れば新芽である。葉は鮮烈な匂いを放ち、春のものと変わらない。9月末の寒さで葉が枯れ、このところの暑さで芽をだしたのだろう。

来春の芽は大丈夫だろうか。ここを過ぎて南から中山谷山に通じる尾根に乗る。枯れたミズナラは地に倒れ、非常に明るい尾根になった。真っ赤に熟れたウラジロの実は、リンゴとナシの味がした。

中山谷山のピークを吹く風はなかなか強い。強い風の中で簡単なお昼を食べる間に、火照った身体はすっかり冷えてしまった。嘗て立派に見えた北側のプナ、大山辺りの森を見た後では物足りない。

五波峠へ下りると林道歩きが長い。ピークの直ぐ北から西に下る尾根を辿る。薄い踏み跡らしいものがある。人のものであるかどうか、良く踏まれた道は鹿の好むところでもある。暫く下ると人の気配はなくなった。

下手に下ると林道に下降できないこともあるので、注意が必要だ。緩い下りの長い尾根を辿り、最後は急降下でビレッジラインに下った。狭い空は良く晴れわたり、5時間ほどの行程では何だか物足りない。


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