■ 台高・木梶林道〜赤ゾレ山
・・・・2011年09月24日
2011.9.25

台風の後の奈良県南部は初めてである。高見トンネルを越えると、この先の崩壊告知の看板がある。山肌から染み出した水を引きずり、数本の轍が残っている。少なくともこの先までは無事に行けそうだ。

林道入り口には一台だけ車がある。もっと多くの轍が林道に続いているが、ここで車を降りた。バーストも怖いが、何より、林業関係者の作業があるらしい。邪魔になっては申し訳ない。

轟々と響き渡る谷川、不動滝の水量もかなり多い。駐車場の一部の土は流出し、メンテナンスが必要だ。対岸の山腹には、大きく崩れた杉林が大雨の痕跡を示し、おそらくは、下流域にまで及ぶ被害があっただろうと思う。

林道は補修されたばかりで、流れ込む小さな谷は、僅かな表土を失い、真っ白な、または真っ黒な岩盤を見せている。車が2台、よこにはテントが一張り、カラフルな釣り装束に身を固めた若いカップルである。

天気は申し分なし、爽やかな風の流れる展望の良い林道脇を選ぶとは、羨ましい。奇麗に洗い流された谷川は、白濁し渦を巻いて流れる水も併せて新鮮である。川面に倒れる杉の多いこと。ワイヤーの先では、倒れた杉を処分する重機と傍で立ち働く10人ばかりの林業関係者。

重機を止めて通しては貰ったが、どうにも冷ややかな眼差しであった。その先にはハイカーのものらしい1台の車。流れを越えて尾根に取りつく。息は切れても汗は出ない。赤ゾレへの尾根にも、僅かに台風の痕跡はあったのだが、思っていた以上に奇麗である。

少しだけ、あっちへウロウロこっちへウロウロ、朝露の残る赤ゾレピークにはススキが揺れている。伊勢辻山へ向かう4人のパーティー、目の前の薊岳、明神平に続く前山と、緑一色に覆われて、些か面白みに欠ける。

その中でも、葉を殆ど失った丸い真っ赤な実をつけたアオハダと、フウリンウメモドキ(後で調べた)は際立って目を引く。

少し休んで赤ゾレを下り馬駈辻へ向かう。池の傍でカメラをかまえる男性一人。馬駈辻から、やはりウロウロしながら谷を下って木原谷、河原の奇麗な白い岩肌と裏腹に、対岸のいたるところで山腹が崩壊している。

アキノキリンソウと道端に点々と咲くママコナ、滝の水は既に夏のものではない。


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