久多川を流れる水はやや多めだが、水に濁りはほとんど無い。先週に続いて太公望の多い川面に続く草むらは、早朝に降った雨に濡れている。
滝谷では徒渉が多く、水が多いとコース取りが難しい。林道終点は無人、太公望は何故居無いのか。増水した川を渉って直ぐに分かった。足元でうごめくヤマビルの姿。
先週は岩屋谷でも姿を見た。歩き出して直ぐの辺りに限定されてはいたが、来年あたりには、何処でも見るような事になるだろう。そろそろ別のコースを作っておこうか。
水量の多い馬尾の滝はなかなか迫力がある。巻道から見下ろした滝上では、流れが速く、水が躍っている。p927へ向かって左の谷を進む。水はやや多めだが、なんとか靴を濡らす程度で歩く事が可能だ。
岩に挟まれた狭い区間が終わると後は薄い踏み跡の残る山路が続く。谷底から覗く空は、次第に薄い雲に変わり、薄日さえ漏れるほどになった。風の無い谷底の日差しは暑苦しい。
路が消えると谷を登るか、尾根に出るか、水の多い谷を避け尾根を選ぶ。数年前に出来た尾根への踏み跡を辿り、谷を一望出来る高さまで来ると風がある。
小休止のあと、尾根までの急登がある。肩で息をしながらやっと尾根に辿り着いた。根元から曲がった樹にまたがり、暫く寝転んで休息。日差しがなければ最高に気分が良い。
綺麗な尾根路は随分荒れている。台風の影響であろうか、歩く人が少なくなったか。p927の杉の根元に腰掛けお昼。尾根では苦にならない湿度も、お日様がでると可なり応える。
食後、界隈を散策し、笹の後退で見えてきた、古い路跡を辿って再び国境尾根を北へ。立派な古道は倒木などで通行不能、最近の踏みあとはピークにある。
天狗峠では立派な杉の樹が根こそぎ倒れている。余程強い風がぬけたのだろう。此処までやってきたご褒美もまた見つかった。後は何処から降ろう。
いつも下りに使う古道跡よりやや天狗に近いあたりでテープを拾った。灌木のない斜面を降れば直ぐに滝谷の上流部に着いた。斜度はきついが随分早いコースである。靴が濡れない様に慎重に降って周回終わり。
林道終点にはやはり一台、既に太公望も姿を消した。稲刈りの済んだ集落では、今日あたり祭りでもあるような賑わいが感じられる。
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