もとイン谷跡に、「小水力発電展示会」といった立て札があった。この上流の谷にあった小さな水力発電所のことであろう。日本は山岳から海まで急傾斜であるような地形が多い。地産地消の理念に従えば、発電もすべからくこうあるべきだろう。
大きなダムや巨大な太陽発電所の前に、是非議論して欲しい方法である。雲の多い湿度の高い日であるにも関わらず、比良の登山客は減ることがない。正面谷に向かう空き地にスペースは殆ど残っていない。
トイレの前の車の数はどうだろう、みんなで円陣を組んでなにやら打ち合わせの最中、隣ではテーブルなどの準備も進んでいるところをみると、何かの目的をもった集団だ。最後には打ち上げの酒宴でもあるのだろうか。
ダケ道の谷川の傍で追いつき、ダケ道に消えていくその背中に、重そうなザックは一つもない。清掃登山??。正面谷を黙々とあるきやっと水場、冷たい水を2杯飲んだ。体が熱い。
青ガレ下で水しぶきを浴びながら小休止、飛沫と呼べるほどの水量はなく、最近の異常な降雨もなかったようだ。それにしても体がだるい、力が入らん。ふらつく足で、漸く金糞峠、風が気持ち良い。
暫く休むと体がいよいよ動かない。せめて一登り、目の前の堂満岳に登る事にして、身体をひきづり南比良峠の分岐まで。お元気なおじ様おば様方が10人ほど、元気な声で下ってこられた。佐渡島がどうしたとか、行動範囲の広さが窺がえるのである。
ガレた尾根には涼しい風が吹く、それでも日向は汗が吹き出る。繁茂するシャクナゲを避けながら、日差しの中の無人の堂満岳のピーク。休む余地もなく、急斜面の下りに入る。支える潅木の小枝を持つ手にも力が入らん。
斜面を下りた後は割合になだらかな下りが続く。南比良峠を望むガレ場の辺りは、テント泊でもしたいほど、気持ちの良い木場である。いつかやってみたい気もするのだが、今日は兎に角早く下りよう。
木場を過ぎると谷に向かってまっしぐら、谷手前で休むおば様おじ様のグループ、井戸端会議は山でも続くのであろう。水の少ない谷を下り、右下から杉の林をトラバース、戦になったら塹壕として使える登山道を辿ってノタノホリ。
あ〜あと少しで周回が終わる。水のよどむノタノホリにはジュンサイの葉?、がちらほら浮かぶ。腹のたつ様なゴロゴロ道を下って腐敗の進む別荘地。何とかハンドルくらいは持てる力を残せたようだ。
(写真のカエンタケが沢山ありました。液に触れなければ問題ないそうですが、踏み跡などは潰れた箇所から液が漏れていることもありそうです。気をつけましょう) |