■ 比良・葛川越〜烏谷山〜荒川峠
・・・・2011年07月03日
2011.7.3

今日は是非とも水に親しみながら歩こうと思う。不調を整えるには清流に限る。比良山系から琵琶湖に流れ込む大谷川、大堰堤の上流で二つに別れ、右は葛川越に続く、古い道跡を辿る。

立派な積み石などから、この道が嘗て非常に大切な生活ルートであった事が窺がえる。右から注ぐ、冷たい谷川傍の真っ黒な岩に、岩になりきったヒキガエルがいる。谷の冷たい水を掬って背中にかけるとモソモソ動く。変身の術やぶれたり。

明瞭になった踏跡を辿り本谷に出る。滝の音に混じって響くのは、オオルリに似た鳥の鳴き声。大石の転がる右岸斜面を遡り、見つけた古道に降りて谷を上る。牛も歩いたという道に違わず、残った痕跡も立派である。

ガレ場を2箇所ほど越え川原に下りる。降りた向かいの斜面には、溢れる清冽な地下水。冷たくて、辺りに白い靄が立つ。ここから川を遡上、谷が左右に分かれる処で踏跡に従い右を辿る。水と分かれて着いた所は石切り場。

切り出したばかりの、矩形の石も残ることから石切り場であると推定した。水と分かれ、微風もない、谷にかかるガスの中は暑かった。ガスが下から下から湧き上がっていく。春蝉のよろめきを聞きながら、斜度の出てきたゴロゴロ石の谷底を這い上がる。

尾根に近づくと日差しが戻る。日差しが戻っても風はない。更に暑くなって、蝉からこちらに乗移ったよろめき。どうする訳もなく、黙々と這い上がって葛川越、風もガスも抜ける涼しい場所であった。唯一の不満は、群がる2種以上の無数のハエ、追っても追っても慕ってくる。

相思なら逃げるわけもなく、ここは縦走路を東へ辿り烏谷山、涼しげなヤマボウシの緑に光る白い花、ベニドウダンはそろそろ終わる。逃げ切った烏谷山ピークにハエ皆無。エネルギーをゆっくり補充、濡れた身体が冷たくなった。

今日は誰にも出会わない縦走路で、荒川峠方面から現れたお爺さんとお婆さんと孫二人(たぶん)。比良縦走路はこうでなくてはもの足らん。荒川峠から下って周回路とする。いま少し明るかった登山道は、成長した杉によって随分暗い。

楽しみの大岩下から湧き出す水場、直後に振り出した雨はあったが、それにしても暗かった。間伐などをして欲しいものだ。


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