■ 大峰・日裏山〜狼平
・・・・2011年06月26日
2011.6.26

南部の雨模様は真っ赤なウソ、湿度も低く、川の流れも穏やかである。熊渡りの狭い駐車地にスペースは無い。竿出す人とレインボーの姿が、眼下の青い瀞にある。歩くと熱い。弥山川の領域に入るとオオルリの囀りが木霊する。

鉄梯子の補修はあったのかどうだかよくわからんが、真新しい地図などを掲げるくらいだから大丈夫であろう。だけども人の作ったものには信が置けないので、きつい斜度に耐え、もくもくと歩く。

賑やかな声が木霊して、3人の若者が下ってきた。足元は軽そうなスニーカ、重い登山靴は考え物だ。春ゼミの、よろめく声を聴きながら、どうやら1500m尾根まで登った。尾根ではお昼を頂く3人のハイカー。見上げたブナの大木に、宿せる木陰がない。巨大な幹のその上には、萎れた小さな葉が僅かに着いているだけだ。

澄明な青空の広がる大峰回廊、水はむしろ少ないくらい、濡れた服も何時しか乾き、シラビソの香ばしい匂いが辺りに広がる日裏山。ルリビタキに威嚇されながらもふわふわのコケの上に小一時間。食事中のヤマカガシには迷惑をかけた。

贅沢にも少し冷えすぎた。日裏山を越え大峰主峰の居並ぶ様を謁見、まあまあ良くやっているので小言はやめよう。谷に降りると陽当たりの良い斜面の大山蓮華、あと少しばかりの蕾もこぼれる程、うち一輪は咲いたばかり。小憎らしい演出である。

弥山川の蓮華にはまだ固い蕾ばかりである。代わって迎えてくれたのは、人を恐れぬキリクチであった。恐れぬことが仇にならぬか、可愛い顔して目の前の川底に張り付いたまま動かん。狼平小屋まえで、にぎやかな衣装をまとったお二人と出会った。けして地味で通している訳ではないのだが、基本的なところで違っているような・・。

15時を回ると下山の時間が気にかかる。昼が最も長い時期とはいえども、真っ暗の大峰回廊は歩き辛い。16時を少し回って下山にかかる。頂仙岳の西にかかった、茜色に染まる夕焼けの中、よろめき春ゼミに気抜けしながら、明日も晴れるのだろう。





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