■ 北摂・大野山
・・・・2011年06月19日
2011.6.19

梅雨の合間を盗んだつもりの北摂・大野山、小雨の県道を過ぎると路面は乾いている。霧にかすむ林の中は水の中のように湿度が高い。それほどきつい斜度でもない古道でも苦しさはかわらず、思いのほか足も心臓も弱くはないかと、切ない思いもきざしても来る。歩き始めの汗は弱気を裏付けるようにボロボロ落ちる。

霧で薄暗い道の両側にはコアジサイの可愛い花、背の高い樹木の中には真っ白な花(実はガク)を沢山乗せたヤマボウシ。鈴鹿の山を思わせる深い二次林には感じの良い細い谷川も流れ、いま少し規模があれば深山幽谷の趣も出てくるであろうに、まことに惜しい。

感じの良い霧の林を抜けるとアセビなど照葉樹の多い源流域が続き、やや斜度のある真っ直ぐな道を抜けて車道に飛び出す。そこには車が4・5台も止まり、どうやら祭りの準備であろうと思っていると、本物の祭りの準備には、もっと大規模なチームが出動していた。

ピークあたりの下草を刈る、アジサイの、林の中の草を刈る、天文台辺りの草を刈る、地元のおっちゃん奉仕隊の面々。そしてアジサイの林の下方一体に張られた沢山のテント。これは一体何事であろう。昨日はかなりの雨があった筈。

軒並み大きなテント・ターフを張り、小さなアルパインテントも混じったちょっとした村ができている。村の住人にはまた、結構なお歳を召した方も多いではないか。車がそこまで入るとはいえ、雨の中、ご夫婦でテント泊とは恐れ入る。

道の両脇に実りを迎えた紅葉イチゴ、口に入れるとやや酸っぱくもあるか。怪しかった空模様も、どうにか薄日も射すほどに回復してきた。遠くは全て、真っ黒な雲の下である。他にすることもなくやや早い下山、準備が終わったところへおっちゃん・おばちゃん混成部隊の到着であった。


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