能勢を越えると雨が上がって、亀岡からは、雲の上に僅かに頭を出した地蔵山が見えた。余りに早い梅雨入り、それに台風が加わっては、ここら辺りで身体を動かしておくのが妥当である。
越畑の集落を抜ける路地、栽培ものや野生の植物に勢いがあり、花も咲いて、通り抜けるだけでもなかなかに面白い。ごうごう流れる芦見川疎水の横では、竹の子が立派に頭を出して、植物はこの雨で大いに元気になった。
植物だけでなく林はガスの中、マイナスイオンでリフレッシュできるのだから有難い。たとえ遠くへいけなくとも、不足を云ってはバチが当たる。若いお地蔵様からのお呼び出しくらいに考えて、いつの間にか手のひらサイズを越えてしまったコシアブラの森を登ろう。
気温は低めでも流れる汗はこれで十分、一週間分の疲れを落としていこう。カマツカが満開、林床を覆う小さな双葉はカマツカだろうか。中には種をかぶったままの双葉もあるが、どうとも判定ができぬ。
ナツツバキの蕾は未だ小さい、サワフタギは一部咲き。春の妖精は葉も茶色く、もう直ぐ所在も分からなくなる。薄日が漏れる地蔵山ピーク、お地蔵様、またまたお目にかかりました。いつもに変わらぬ微笑ましいお顔、お陰で今日は濡れそうにない。
ピークを下って笹枯れの鞍部、台高あたりと間違えそうな、雲海を湛えた山並みが広がる。モノクロの林に、唯一目立つのは山ツツジ、薄紅色の沢山の花が、そこはかとなく温かみがある。
愛宕山出会いで林道に出て、眼下に広がる立派な雲海を眺め、ジープの痕跡しかない急な道を、およそ1時間ほど下って府道に出る。車の少ない府道に沿って、生活の花、野生の植物、散歩していて余念がない。出会い仕事は道端の掃除、綺麗になった道を歩いて、殆ど雨らしい雨に遭わずに越畑に着いた。
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