■ 京都北山・鎌倉山〜八丁平
・・・・2011年02月26日
2011.2.27

朽木・少年自然の家から橋を渡って次々と現れるハイカーの群、皆さんの向かう先は御殿山から武奈ヶ岳である。それにしても、早朝から集まった駐車場を埋め尽くすハイカーの数はどうだ。このところの暖かさに誘われて出た人の群れ、啓蟄には少しはやいが、これもやはり啓蟄である。

人の流れとは逆に、綺麗な雪景色を見ようと向かった先は鎌倉山・八丁平の静かな尾根。雑木林に続く急斜面の雪は殆ど溶けて土が見える。ところどころに残った雪に、今日のものらしい二つの靴跡。林道から数人の踏み跡が加わり、少なくとも5〜6人のハイカーがあるようだが、風の無い林は静まりかえって鳥も鳴かない。

ぶな平を越えるあたりから林床を雪が覆い、締まった箇所があるかと思えば太股まで埋まるところもあって歩き辛い。踏み跡を辿ろうにも先週までの踏み跡は殆ど判読できない。先行者の一人はワカンを着け、他の踏み跡には深い穴があちこちに見られる。

尾根からの雪面には、楽しみにしていたアニマルトラックは全然ない。暖かくなったのでどこか他所にいってしまったのか、それとも歩き回る必要の無いほど餌が直ぐ傍にあるのか、真冬のパウダースノーには沢山のトラックがあったところだ。

鎌倉山ピーク辺りで振り返った東の空に、武奈ヶ岳をピークに南西稜から御殿山、釣瓶岳から蛇谷ガ峰の辺りまで、青空の下に素晴らしい山並みが続いている。ピークでもっとも多いトラックは人であった。他には2羽のウサギだけ。植林の林より随分暖かい。

ピークを西に下り、眩しい煌きの中で少し早い昼食とする。平らにした、雪に埋まった雑木の影から急斜面に続く鹿のトラック。食事も終わり、うねうね続く小尾根を越え、真新しいシリセードの跡を辿ってのんびり歩く。やや大きいトラックは、腹を空かして目覚めてしまった熊のものだろうか?、惜しいことに早朝に降っただろう雪に埋まって断定はしがたい。

オグロ坂峠からは思っていた以上に雪が多い。夏道は大量の積雪に埋まり正確にわかりかねる。先行者の踏み跡は、峠下から始まる小川に沿って湿地を行く。夏道らしい雪面のうえには重みで倒れた木があちこちにあってこれもたいへんだ。

先行者の後姿が見えてきた、女性を含む3人のパーティーである。湿地の中央辺りでシッテンバットウ、向きを変えるとそのまま中村乗越に続く尾根に向かって登っていった。パワフルな人たちだ。

ほぼ夏道に沿ってこちらも中村乗越へ、彼らの踏み跡も混じり、雪で塞がれた夏道下の杉林を進んでいる。直ぐに彼らに追いつきはしたが、彼らは再び尾根に上がって声をかける暇もない。夏道の下らしいあたりを山腹に沿ってトラバース、地面に近い辺りは空洞になっていて、一足毎に太股まで沈む。

見当を着けて下降を始め、目印の湧き水場を見つけたときはやれやれであった。谷からは流れに沿って下降するのだが、深い雪の上で渡渉を繰り返すのはなかなかに気を遣う。スノーブリッジを歩けたら楽だろうが、落ちたらこれは寒いことになるし、岩に身体をぶつけても痛い。

ようよう伊賀谷林道まで戻ってきたが、頼みの細い橋の上には大量の雪、よもやこれを渡るのはサーカスに出演するようなもの、とても技量の及ぶところにあらず。石を跨いでやっとこさ、川は越えることができたものの無情な積石の高さは2.5m位、そこから50cm程の雪が重なり3mの障壁が聳える。

杉の倒木から出た枝を掴み、積み石の間に生える夏草の枯れ枝を掴んでやっと林道に乗ることができた。そばにはハイカーの踏み跡がウロウロ続き、渡渉を諦めて帰ったものらしい。


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