■ 北摂・半国山
・・・・2011年01月30日
2011.1.30

あちこち酷く寒くて半国山くらいしか行くところがない。がしかし、どうもあと一週間もしたら、暖かな日差しがありそうな予報である。来週は伊勢辻から明神平あたりを徘徊することにして、今日は前座と云うことにしよう。

気温は-4度、金輪寺したの池には氷が張り、人の気配に驚いて飛び立った鴨。一飛して池に戻ったとき、突き出した足が滑ってあごで滑走した。反対側から戻ったやつも氷で滑って、如何にも不自由である。

大真面目でやっているその姿は、2mの積雪の中で、懸命にラッセルする我々と似ている、といったら、鴨に叱られるカモ。金輪寺したから登山道に入った。年初に入って降った雪だろうと思うのだが、低温が続くので、あちこちに残ったままだ。

尾根にあがるまでに軽く汗ばんだ身体も、尾根の風に吹かれると途端に汗は引っ込んで寒い。硬く絞まった雪を踏むとガリガリバリバリ煩い。登山道周辺には無数の足跡が残っていて、恐らく1月分の足跡だと思われる。

注意しながら歩くこと一時間、綺麗な雪面には人間の他にも無数に足跡が残る。狸とリスとテン、偶蹄目は鹿だろう。ハイカーの足跡に合流し、そして適当なところで分かれている。人の足跡も彼らには随分役に立っていると見た。

山頂直下の平坦部に出ると、バイクの車輪の跡が縦横に続いており、一部は谷にも続いている。来るな、とは云わないが不愉快千万。可愛らしい痕跡を辿っていただけに、面白くない。

山頂に続く急斜面も、タイヤで混ぜられた雪とドロで汚いこと甚だしい。いよいよ面白くない。未踏の林の中を登って山頂へ。山頂からは、雪雲に煙る比良、真っ白な雪面を現した百里ガ岳(たぶん)への眺めが良い。空気は澄んでいるらしいが、これで幾らか気も落ち着いた。雲間から漏れる日差しが暖かい。

穢れ無い雪面のきらめきを見た後で、バイクの破壊跡を見た時には、流石にやるせない想いがある。なるべく綺麗な雪面を探して尾根を下降、再び東尾根に戻ったとき、雪面に残る足跡の先に、可愛らしいリスのラッセルを発見した。

何時のまにか黒い雲に覆われた空から粉雪が落ちてきた。枝先にはルリビタキの姿があって、盛んに枯れ草の上を飛んでいる。小さな草の種を探して飢えを凌いでいるのだろう。もう直ぐ春の気配がやってくる、と思っている。


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