この週末はなんとか比良くらいには行けそうな気温だ。前回は小女郎峠下で時間切れとなった経緯もあったので、再び峠を目指すことにした。などといっても、実際のところはその辺りが行動できる限界であるだけなのだ。
車窓から見えた比良山系全体、前回に比べ山域全体が真っ白になった。琵琶湖バレイ前駐車場に車を置いて歩き始めると、湖西道路から下には殆ど雪は無く、前回あった雪が多少残っているだけだ。
登山口上の農地の雪も前回に比べて少なくなった。日差しも出てきて道横の庵の上で早速の休息。目の前を男女二人のハイカーがゆっくり登っていかれる。新雪の後なので、少しでも踏み固めて貰ったらありがたい、ありがたやありがたや。
拝むのは勝手である。林道の終点で、お二人のゆっくり地図を見る光景にまぶしさを感じながら、雪道に足跡を残すのである。未舗装の林道も終わると50cmほどの雪の残る堰堤の前に出る。
なにやら高速飛行物体が谷芯上空を降下してくる。頭の真上10mほどを通過するとき「ひゅーん」と空気を切り裂く音を残していった。後姿ではあるが、大きさから判断して隼ではないかと思うのだが、たいしたスピードだ。
ここを境に積雪量が増える。しかしあり難いことに先行者の足跡が明瞭だ、これなら随分楽ができそうだ。加えて、前回に比べ沈み込みが僅かだ。残しておいた記念の足跡も綺麗さっぱり残っていないし、相当新たな雪があったようだ。谷川の渡渉地点では、僅かに見える流れを越えるのに多少苦労した。
新しいトレースは、撓んだ木が道を塞ぎ、夏道を外れることが多くなった。最後に左岸に移ってからも順調にトレースは続いている。前回より50cm位も増えた積雪で、斜面を登り降りしながら峠下の谷に続いている。
流石に壺足では辛くなり、ここでワカンを装着、綺麗な雪面を歩いても、僅かに沈むだけで、胸まで埋まるようなことはまるで無い。安心してウロウロしていると、詰まらないところで埋まってしまった。
峠下の、真っ白な雪面に先行者を捉えた。真っ青なザックカバーが鮮やかな男性である、随分楽をさせていただきました、ありがとう。峠から琵琶湖を振り返る間に、アラキ峠方面から次々と登山者がやってくる。平からの人だろうか、池にもよらないで蓬莱山に向かっていく。帰りはゴンドラかな。
池には約3名の先行者がいて、1人は北側のこぶに登って昼食の最中、2人は直ぐに去って行った。風の強い小女郎池で長居は無用、パンをかじって直ぐに下降を開始する。峠下の風の無い雪の中には例のお二人が昼食中であった。
真っ白な雪面はやはり素晴らしい。青空がいま少し覗いてくれたら、絶景が広がったことであろう。一週間の疲れや身体に残った老廃物を綺麗に掃除させて貰って、その上素晴らしい景観に触れることができる山歩きはやはり楽しい。来週も優しい天気でありますように。
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