■ 京都北山・八丁平
・・・・2009年03月07日
2009.3.9

今日は2/7に発見できなかったオグロ坂峠を探して、高層湿原である八丁平を散策しようと、朽木・葛川小学校前に車を止めた。 廃校なのか現役なのか、2階の窓辺には沢山の書類が見えるところを見ると現役らしいのだが、土曜日なのに人の気配がまるで 無く、厳しい川風が吹くなか、土手には芽を出したばかりのフキノトウが沢山あって、日差しがあるところだけは温かい。

林道の雪は完全に消え、折れて道を塞ぐスギの木が名残である。昨日の雨で増水した谷川は、先週より更に勢いがあり、川面を飛び交うミソサザイの賑やかな声が、水勢を制して狭い谷に木魂する。谷は更に狭まり、徒渉地点が近くなると道にも残雪がある。雨に濡れた丸太橋を慎重に渉り、谷川を一つ越えて右側の谷に入る。先週くらいから水漏れのする登山靴には防水スプレーをたっぷりかけてある。

見上げるように渓谷があり、崩れそうな斜面を越えると次第に谷が広がりだし、そのまま尾根まで詰めれば県境尾根に達する。谷を跨いでスギ林の急斜面を登り、固まった雪の上を融け残る足跡を辿ると冬枯れたピークが見えてくる。粉雪もちらちらし始めかなり気温が低い。山を鳴らす風の音も次第に大きくなってくる。

冬枯れて、笹の後退した寂しい尾根からさきには雪が未だ一杯残っていた。踏み固められた踏跡を辿っていたつもりでも、風と小さなゴミが作った風紋の上だったりして中々歩き辛い。日当たりの良い八丁平の案内標識の傍は雪がなくて、朽ちつつある木のベンチは日差しを浴びてここだけは温かい。ヤドリギを沢山付けたブナには沢山の小鳥が、頻りに黄色い実を啄ばんでいる。

ヒレンジャクだと思われる渡り鳥は、彼方此方の梢で見るからに寛いだ様子に見えた。その直後、ハヤブサに似たカラスよりやや小さめのトリがいきなりヒレンジャクに襲い掛かり、小枝に身体を打ち付けながら、峰床山方面に逃げる一羽を追いかけ飛び去った。驚いたのもあって多少不愉快であったのだが、飛び去る後ろ姿を見てからはそんな気持ちも消えてなくなった。

八丁平からオグロ坂峠にかけて大層立派な道がある。広さは1m以上、嘗ては朽木と久多の間で牛さえ歩いた古道であるという。 流石に雪の下ではどこにあるかもわからず仕舞い、峠からは二人のハイカーがやってきた。今年に限っては些か遅すぎるスノーシューでの八丁平散策である。峠を吹き抜ける風は強烈で、北から吹き募る風が全てこの峠を抜けるかのようである。

峠もそこそこに、流れ込む小川にそって雪上を湿原まで歩き、案内標識まで戻って時計を見た。スノーシューは峰床山に行ったらしい。少し早すぎる時間ではあったが、かなり冷えてもきたし、来た道を辿って葛川小学校前。上より随分温かく、解禁に併せた釣り師の姿があっちこっちの川岸にあった。

たっぷりかけた防水スプレーの効果もなく、濡れた靴下が忌々しい。



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