海上を過ぎると季節感溢れるススキの道だ。季節に埋もれて前が見えない。先刻軽自動車と遭遇した。降ってくる車の少ない事を祈りつつ、上山高原のススキの原が見えてきた。先ずはひと安心。一本着けるなどして小休止、見渡すススキの原は見事でこれ以上はない秋の風景。しかし見える路面は目の前の数メートル。しかも両側を確り塞ぐ側溝付き。対向車に合ったら拝み倒してバックして頂こう。駐車場兼テントサイトの芝生が見えたら全ては杞憂に終わるのだが、それで終わらない方々には気の毒だ。全ては平素の行いがものを云う。
避難小屋のトイレをお借りし、のんびり見渡したブナの林に紅葉は無い。今日は先ず、山腹道を上地コース出合いまで走り、ここで少々地学の見学を入れ、しかる後に扇ノ山まで歩く予定。このコースは2回目で一番に厳しいコース。親水広場に車は数台、この山は午後であろうが気にされない方々が多く、これで今日の人出は占えない。山ブドウの葉が良い感じに色付いている。
河合谷登山口を過ぎると落葉の道。轍の跡も少なく落石の転がる道だ。何やら嫌な予感の道が長い。山側の崩壊地は、一応の処置はあるものの、これ以上の対策はやるように見えない。何とかギリギリ通行できた。冷や汗もの。ほどなくほぼ完全に壊れた東屋があり、ここに駐車。橋を渡ると上地コース出合い。先ずは数万年、数十万年前の流紋岩の流理を見るべく川に降り、川を渡渉する予定であったが流れが厳しい。ハイカットの登山靴でも沈む水量、手を漬けるととても冷たい。
コース入口を目前にして指を咥えて見守るだけ。入口の急斜面もやや崩壊が進んだ様子。何にしてもこの水流が、、因みに、このコースは現在閉鎖となっていて、順当な結果と言えなくもない。悔しいので、東屋裏に続く暗い谷を少々登る。いつの時代のものかは知れないが、崩壊の進む剥き出しの流紋岩の地層は圧巻であった。流れの中はほぼ大小の赤い軽石、ときに重いものがあるのは金属鉱物だと思う。
しかたなく、河合谷コースまで登り返し。こんな荒れた道を通行する地元車両が1台。河合谷コースはお散歩程度のコースで、この時期は山ブドウを探したり早めの紅葉を楽しんだり、中には袋一杯のナメコをぶら下げたきのこ狩りの方々もいる。コースの面白味から云えば先の上地コースと左馬殿道コース、今から左馬殿道を歩くと木地師の墓の前を歩く頃には暗くなる。後ろの百太郎が頼りのコース。(分かる人は少ないでしょうね)
紅葉には未だ早いものの、綺麗に色付いたシラキ、とよく見ればオオカメノキ。日に透けてとても綺麗に色付いている。お次は山ブドウだが黒い垂れ下がる房が無い。よく見ると房だけを残して実が無い。全て同様、夏場の日照不足に加え雨が多かった事によるものか、愈々撤退の意思を表したものかは不明だが、2つ目の楽しみが消えていった。
小ズッコまでの林床にナメコを見たがやや遅い。大ズッコまで登ると西の尾根から上地コースが出会う。ここで大きく降って登り返すと展望所を経て避難小屋の建つ無人の扇ノ山ピーク。今日なら小屋泊まりも可能であった。歩みを止めると少々寒い気温10℃。エネルギー補給の後はぼちぼち降り。あと1時間もすれば黄昏時という時間にも登って来られる人がある。南中を過ぎると冷え込んできて、東の空は雲が多い。
西に展望の拓ける辺りにテントを設営。辺りのススキは風を遮る。西の空に浮かぶ大山の彼方に夕日が落ちると空は茜色に染まる。海の彼方に黒い影を作るのは隠岐の島。谷を隔てたあたりの鹿は侵入者の存在を知らせる警告を発していた。テント泊は寒いものだ。 |