■ 湖南アルプス・矢筈が岳
・・・・2026年02月28日
2026.3.1

田上公園に車を置き、お休みらしき巨大工場現場を通過。冷たい風の吹く、今にも崩れそうな空の下、沈下橋から降りた砂州に足跡を残す者がいる。昨夜の雨を考えると、早朝に訪れた人のものだと思われる。できれば一番に足跡を残したかった。大きな花崗岩が二つあった場所まで来た。ところがそこに石が無い。何れは調査対象の石であったがもぬけの殻。用意した細やかな道具は不要になった。古い治山事業の痕跡を確認しながら歩くと日本リスが出てきた。この時期には珍しい、と感心しているとこへ今度はコジュケイの御一家様が登場した。ほとんど同じサイズのニワトリに似た鳥が5〜6羽、暫く林床をウロついてシダの斜面に消えて行った。

鎧ダムへの分岐まで来た。山仕度のワゴン車の前で河原に降りた。彼らの行先は太神山方面。充分、間をあけた積りで後を追う。天候の崩れるまでは太神山を目指そう。橋を渡ると林道の終点、この先は100mほど高度を稼ぐ。曲折するルートの崖側は展望が良い。ほかに展望などのない丘陵地であるから贅沢は云えない。崖側の展望地で対岸の崩壊地などを見物する間に、大いに賑やかな一団が近付いて来た。抜いて貰おうと待ち構えると、直ぐ下の膨らみでお休みである。次の展望地まで登り彼らを待った。と、彼らは先の膨らみでも休息を始めた。

容易に離れて貰えない事を悟ったからには引き離す他に無い。真面目に歩くとかなり暑い。汗がポロポロ零れて落ちる。これはこれで嬉しい悲鳴だ。すると何を刺激したのか彼らも同じようにに着いて来る。すぐ先にワゴン車の一団を捉え、気が付けば泣き不動の前、伸び切ったパーティはここで立て直しが必要。賑やかな声が遠のいていく。すぐ上は不動寺の境内、右手には矢筈ヶ岳への道が分かれる。この先を思うとここで分かれるのもありだ。

薄くなった踏み跡、樹林の下に続く暗い森は当然ながら静寂そのもの。人の侵入を知った鹿の声が「キャンキャン」聞こえる。ウソらしき小鳥の声は消え入るように心細い。アップダウンの続く道に、強い北西の風が吹く。木立の隙間に、一際高い林が見えた。矢筈ヶ岳に到着、見上げた灌木の斜面に降りて来る男性が一人、不動寺方面に消えて行った。気温は3℃、暗くて淋しい森の中には、苔に埋もれた小さな池があちこちにあった。

大岩がところどころ、全山いたるところにある治山事業の痕跡を見てエネルギー補給、下手なところで休むものだから汗が冷えて寒い。前方が明るくなると笹間ヶ岳への道出合。今日はグリップの効かない岩の道を降って県道に出た。冷たい風に混って雨が落ちる。


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