■ 京都西山・芦見谷東尾根
・・・・2025年11月29日
2025.11.30

芦見谷東尾根を西山とするには流石に疑問があるが、今更北山に変えると地蔵山・愛宕山界隈も含める必要がある。やはり従前の通り西山とさせて頂こう。

気温は6℃でほぼ曇天、予報ではお出かけ日和と言う事であったが左京区越畑は日本海側の気象。ここでは熊のニュースはさほど重要では無い。愈々師走になろうと云う今でも、付近の柿の木は豊穣の秋色、枯草に覆われた露地に人気は無い。防獣ゲートを過ぎ、芦見峠に至る山道の、タカノツメの紅葉をゆっくり鑑賞できる季節が来た。しっかり踏跡の残る峠を過ぎると踏跡は少ない。山ビルの巣窟を過ぎ足元チェック、彼らの季節の過ぎた事を確認した。

無事に芦見谷に降り、林道を少しばかり降って砂防ダムに降りる。陽射しの無い、冷たい水の流れる芦見川の向いに、山腹に続く古道があったのは20年前の事。厳しい斜面の山腹を見上げ、流れの石などを見ながら暫くぶらぶら、やがて深い谷底にも陽射しが届く。これを機に取り付いた急勾配の山腹、古道は未だ残ってはいたが酷い倒木で辿れ無い。更に厳しい山腹を巻き上がることおよそ1時間、アキレス腱が痛い。斜度が緩む様子を見せると古道を離れて尾根芯を行く。

斜度は少なくなったが馬酔木の藪が酷い。歩く人の無い尾根は、どこもかしこも馬酔木かゆずり葉の過密地帯。大きく成長した木々で展望は無い。嘗てのピークハンターが残したピンクテープもほぼ無くなっている。戻りたくてもあのルートは下りに難い。スマホの電波の入る場所でも無い。いわば、ほぼ遭難といって良いような心細い状態だ。頼りになるのは尾根の形、南東に延びる尾根を辿ればユリ道の先に林道が待っているはず。

ところどころ、馬酔木の切れた林は明るい。紅葉した落葉で、陽射しは林床にある。お陰で今日の目的の大部分は消失した。藪と紅葉の林床を歩く事およそ2時間、ピークを過ぎ、細くなった尾根に残る約束のユリ道を辿る。地蔵山と竜ヶ岳の頭が覗き、北に周山街道の見える地点だ。消耗したエネルギーを補給しよう。それにしても風が冷たい。

補給時間は約10分。ユリ道と云うのはよく工夫された道で、登り下りはごく少ない。調子よく歩いて汗も出ない。飛び出た林道はしかし明るかった。現代にたち戻った「時の行者」だ。現代風に、オフロードバイクが作ったショートカットを降り谷に下降、やがて見えてきたのは「龍の小屋」、20年を経て健在だ。竜ヶ岳取付きを過ぎ、度々の出水で酷く荒れた芦見谷を降って芦見林道に出た。これで周回は終わり、越畑までは峠越えが残っている。


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